『おうちで死にたい』
みなさんは、自分が死ぬ時、あるいは、家族の最後を看取る時、どこでそれを迎えたいですか?
標題は、最近読んだ漫画本のタイトルなのですが、在宅で最後を迎えることをサポートする訪問看護師さんのお話です。
とても読みやすく、おすすめです。
「超高齢少子多死社会」の到来とも言われますが、
2020年における、人口に占める65歳以上の方の率(高齢化率)は、29%程度(世界1)。
よく言われることですが、2025年には、団塊の世代と言われる方々が75歳を迎え、さらに高齢化は進み、
仮に、このままの出生率ならば、2060年頃には、高齢化率は40%程度まで上昇するそうです。
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc143210.html
高齢化は、現代日本という国に生まれ、避けて通れませんが、
人口に占める高齢者の方の率が高くなるという事は、すなわち、亡くなる方が格段に増えるということである、という事実を、正直、私の中であまり認識していませんでした。
恥ずかしい話ですが…
2005年頃以降、日本社会では、毎年100万人以上の方を看取ってきていて、
昨年2020年には、138万人弱の方が亡くなっています。(去年の出生数は86万人くらい。)
そして、2037年には年間の死者数が170万人になると推測されるそうです。
それでは、その亡くなられる方は、どこで最後を迎えるのか。
高度経済成長を経た日本では、自宅で亡くなられる方が大幅に減り、病院で最後を迎える方が格段に増えました。
現在の死者数に対する8割程度の方は、病院で最後を迎えているそうです。
老人ホームなどの入所施設が増えてきてはいるものの、「看取り」となると、現段階では、「最後は病院」というケースが多いことも、病院で亡くなる方が格段に多い要因のようです。
170万人の8割は、136万人。
それに対して、
病院の病床数は限界があり、現在の病床数は、日本全体で120万床程度。
死亡予測者数に、追いつきません。
お一人お一人が、どの程度の入院期間になるか、ということにもよるかもしれませんが、仮に「みんな」が病院での最後を希望するとしても、それは叶わないということになってしまいそう…。
個人的には、知らなくて、とてもびっくりしました…。
コロナで、病床の確保に格闘されているニュースを耳にしていましたが、元々の病床の足りなさに加え、感染症の拡大が加わり…医療現場は、本当に大変なんだな…と、感じさせられます…。。(お祈りします…)
このような情勢もあり、病院以外の場所での看取りの場所が必要だということが、認識されています。
住み慣れた地域・家で過ごすことを大切にしたいという社会的な流れは、1990年代頃から強くなってきていますが、施設や病院ではなく、在宅でのケアを望む方も多く、医療に関しては、自宅で診療を受けたいと希望する方は、およそ60%を超えるそうです。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000078375.pdf
私は医療職ではありませんが、仕事の関係で、訪問看護師さんや訪問診療などの方たちと関わらせていただきます。
みなさん、親切で、素晴らしすぎます…。
そんな医療職の方の、「訪問看護」という分野に光を当てたこの本は、看護師資格・経験のある方が作者です。
人の最後を看取るなんて…、私には、恐れ多く、たじろいでしまいますが、誠実に、その方の生き方・死に方に関わること、その方の尊厳を守ること、すごく、尊いことだと感じます。
命を守るために必要な知識と技術があるって、本当に物凄いことだと感じます。
(医療職のみなさん、本当にありがとうございます…)
医療的な知識はないけれど、私は、私のできることを、私の位置で、誠実に、関わりたいと思います。
ちなみに、私自身は最後をどこで迎えたいか、について、まだ、イメージがありません。
「家」で最後を迎えたいのか、病院がいいのか、入所施設などがいいのかetc…、正直わからないのですが、その時の気持ちがあるかもしれません。
でも、自分がどんな最後を迎えたいか…、イメージすると、私は、「一人ではない姿」をイメージします。
孤独でないなら、それは幸せなことだと感じます。
それを思うと、孤独で亡くなられる方が、本当に切ないです。
私の価値観かもしれませんが、そう、思います。
信頼できる誰か、わかってくれる誰かが、そばにいてくれることを、願います…。
つくば始音教会 ゆう
私もこの漫画読んだことあります!
すごくわかりやすいし、きっとリアルなんだろうなあと思って読んでました。
私も大事な人の人生の最期をどう見送るか、自分の人生の最期をどう迎えたいか、色々考えさせられました。
だからこそ自分の人生も周りの人の人生もひとつひとつ大事にしていきたいなあと思いました